歯科矯正学講座 【末盛7階】
研究
 
 
研究内容
@歯列・顎・顔面骨格の成長発育および成長発育指標に関する研究
A矯正歯科治療の進歩に伴うデンタルマテリアル・バイオマテリアルの開発と応用
B咬合異常に起因する顎の形態異常と機能障害の因果関係の解明と、その予防法の確立
C骨の改造現象の細胞学的メカニズムの究明と、矯正歯科治療への応用に関する研究
D不正咬合患者の心理状態の把握と矯正歯科治療によるその変化に関する研究
研究業績
骨代謝関連
2011年
破骨細胞特異的薬剤(リベロマイシンA)投与が実験的歯の移動に及ぼす影響
愛院大歯誌 49(1):29-35
藪本貴洋, 宮澤健, 田渕雅子, 庄司さつき, 田中美由紀, 門田愛実, 吉廻守, 川谷誠, 長田裕之, 後藤滋巳

高回転型骨粗鬆症患者や、歯周組織が脆弱した患者に対し歯科矯正治療を行う際、リベロマイシン A の投与は、著しい歯槽骨吸収を予防し骨梁を維持しながら歯を動かせることが可能と考えられ、さらに薬剤投与から起こる副作用を最小限にできる有効な薬剤であると考えられた。
Bone Regeneration by Demineralized Dentin Matrix in Skull Deforts of Rats.
Journal of Herd Tissue Biology. 21(1):25-34
Ken Togari, Ken Miyazawa, Keisuke Yagihashi, Masako Tabuchi, Hatsuhiko Maeda, Tatsushi Kawai, Shigemi Goto.

Demineralized Dentin Matrix(DDM)による骨誘導に関して検討するため、ラット頭蓋骨に実験的に作製した骨欠損に牛歯牙由来DDMを移植したところ、DDMが骨再生の足場となり、早期より豊富な新生骨量を得ることができ、骨補填材として有効である可能性が示唆された。
Involvement of TRP channels in the signal transduction of bradykinin in human osteoblasts.
Biochemical and Biophysical Reseach Communications. 410:317-321
Yasuhiko Suzuki, Daisuke Kodama, Shigemi Goto.

ヒト骨芽細胞のBradykinin(BK)のシグナル伝達経路におけるカルシウムイオン流入の関与を明らかにするため、ヒト骨芽細胞SaM-1細胞を用いてBK刺激による細胞内カルシウム濃度上昇について検討を行ったところ、BKによる細胞内カルシウム濃度上昇に、 B2受容体を介して容量依存性に開口するTRPCチャネルが関与し、細胞外からのカルシウム流入が細胞内カルシウム濃度上昇の維持に寄与していることが示唆された。
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2012年
Experimental tooth movement-induced osteoclast activation is regulated by sympathetic signaling.
Bone.18;52(1):39-47.
Kondo M, Kondo H, Miyazawa K, Goto S, Togari A.

実験的な歯の移動(ETM)による骨リモデリングの活性化に交感神経が関与しているか否かマウスの上顎第一臼歯(M1)と第二臼歯(M2)間に3日または5日間ゴム片を挿入し検討したところ、歯根膜で活性化された、交感神経活動が歯根周囲歯槽骨において破骨細胞形成を促進し、矯正的歯の移動を促進することが示唆された。
Effect of Reveromycin A on experimental tooth movement in OPG-/- mice.
J Dent Res.91(8):771-6.
Tanaka M, Miyazawa K, Tabuchi M, Yabumoto T, Kadota M, Yoshizako M, Yamane C, Kawatani M, Osada H, Maeda H, Goto S.

OPG遺伝子欠損マウスに対し、破骨細胞を特異的に抑制するリベロマイシンA(以下RM-A)を投与して持続的な実験的歯の移動を行い、RM-Aが、歯周組織が脆弱した患者に対する矯正治療に有用かどうか検討したところ、著明な歯の移動の抑制、破骨細胞活性と歯槽骨吸収の抑制が認められた。 よって、RM-Aは骨粗鬆症患者や歯周組織が脆弱した患者に対する矯正治療の際、著しい歯槽骨吸収を予防できる薬剤であると考えられた。
マウス骨芽細胞様細胞株MC3T3-E1細胞における副甲状腺ホルモン(PTH)間歇刺激のanabolic効果
愛院大歯誌 50(2):59-67.
伊藤雅大, 西村壽晃, 宮澤健, 鈴木崇弘, 金森孝雄, 後藤滋巳

MC3T3-E1細胞に対するPTHの間歇刺激によってanabolic効果が認められ、PTH1R、FGF-2およびCTGF mRNAの発現が上昇し、連続刺激ではanabolic効果は認められなかった。PTHの間歇刺激によるanabolic効果の発現にPTH1Rの発現増加と、FGF-2やCTGFなどの細胞増殖因子が関与している可能性が示唆された。
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2013年
Stabilization of tooth movement by administration of reveromycin A to osteoprotegerin-deficient knockout mice.
American Journal of Orthodontics & Dentofacial Orthpedics. 144(3):368-380.
Takahiro Yabumoto, Ken Miyazawa, Masako Tabuchi, Satsuki Shoji, Miyuki Tanaka, Manami Kadot.a, Mamoru Yoshizako, Makoto Kawatani, Hiroyuki Osaad, Hatsuhiko Maeda, Shigemi Goto.

OPG遺伝子欠損マウスに対し、破骨細胞を特異的に抑制するリベロマイシンA(以下RM-A)を投与することにより異常な骨吸収を防ぎ、骨形成が正常化され、その結果、正常な骨代謝回転が得られた.
Tumor necrosis factor stimulates osteoclastgenesis from human bone marrow cells under hypoxic conditions
Experimental Cell Research.321(2):167-177.
Takayuki Nomura,Mineyoshi Aoyama,Yuko Waguri Nagaya,Yoh Goto,Mieko Suzuki,Ken Miyazawa,Kiyohumi Asai,Shigemi Goto.

腫瘍壊死因子(TNF)の存在下でのヒト破骨細胞形成に及ぼす低酸素暴露の役割を調べた。ヒト骨髄細胞において低酸素曝露がTNF誘導性の破骨細胞形成において重要な役割を果たしていることを示唆している。
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歯科矯正用アンカースクリュー関係
2011年
ミニスクリューを用いて上顎大臼歯の近心移動により空隙歯列の改善を行った一症例
愛院大歯誌49(2):159-166.
樋田真由, 藤原琢也, 宮澤健, 川口美須津, 鈴木靖彦, 後藤滋巳

上顎前歯の下側傾斜と上顎右側第一小臼歯、上顎左側第二小臼歯の欠損による空隙歯列弓を伴うSkeletal Class IIハイアングル症例に対し、上顎大臼歯の近心移動による空隙歯列弓の改善を行うため、上顎口蓋側に加強固定としてミニスクリューを使用した。その結果、上顎前歯を舌側傾斜させることなく上顎臼歯の近心移動ができ、空隙歯列弓が改善した。また上顎大臼歯の移動の際、歯が受けるモーメントに配慮したフォースシステムを考案したことで、歯体移動に近似した移動が可能となり、上顎大臼歯の大きな近心移動量を得ることができた。
下顎骨の右方偏位を伴う叢生症例
―左側下顎枝外斜線内側にミニスクリューを植立し正中線の偏位の改善を行った一治験例―
愛院大歯誌49(2):167-177.
高須寛貴, 田渕雅子, 宮澤健, 川口美須津, 吉廻守, 後藤滋巳

下顎の骨格性の右方偏位を伴う叢生症例に対し、治療を効果的に行うために、左側下顎枝外斜線内側にミニスクリューを用いる治療計画を立てた。その結果、下顎左側大臼歯をほとんど近心移動させることなく、大臼歯の咬合関係を左右対称なアングルI級にすることができ、下顎正中線の3.5mmの右方偏位を改善することが可能となった。
AnlgeV級開咬症例 ―固定源として正中口蓋部にミニスクリューを応用した1例―
愛院大歯誌49(2):179-188.
伊藤雅大, 宮澤健, 川口美須津, 安田篤史, 野村隆之, 後藤滋巳

Angle III級開咬症例に対し、開咬の改善として、上下顎左右第一小臼歯の抜歯を行い、その得られたスペースを利用して上下顎前歯の舌側移動を行った。その際の固定源として、改良したパラタルバーとミニスクリューを加強固定として使用した。その結果、上顎大臼歯は圧下され、前歯部の開口は改善し、適切なoverbite、overjetを獲得することができた。
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2012年
著しい叢生を伴うAngle Class II ハイアングルケースの一治療例
―ミニスクリューを応用した犬歯遠心移動のための新しいメカニクスについて―
愛院大歯誌50(2):81-91.
鈴木貴雄, 宮澤健, 柴田桃子, 田渕雅子, 関谷健夫, 川口美須津, 後藤滋巳

今回我々は、 上下顎に著しい叢生を伴うハイアングルケースに対しミニスクリューを用いて加強固定を行い良好な治療結果を得た。その結果、ハイアングルケースなど臼歯部の加強固定が必要な症例においてインプラントアンカーを併用することは有効な方法であることが考えられた。
2013年
Midpalatal miniscrews and high-pull headgear for anteroposterior and vertical anchorage control: Cephalometric comparisons of treatment changes.
American Journal of Orthodontics & Dentofacial Orthpedics, 144(2):238-250
Jungkil Lee, Ken Miyazawa, Masako Tabuchi, Misuzu Kawaguchi, Momoko Shibata, Shigemi Goto.
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材料学的関係
2011年
Application of silicon hybrid transfer trays to an indirect bonding system through bracket positions referred by 3D digital software.
Orthodontic Waves, 70(3):119-122.
Kawaguchi M, Hayakawa S, Kurosawa M, Hata Y, Miyazawa K, Goto S.

近年、多くのインダイレクトボンディングシステムが開発されているが、必要な作業は非常に複雑といえる。そのため、ブラケット位置の決定方法とシリコントレイを用いた単純で容易な方法を開発した。本インダイレクトボンディング法の一部として、トレイとして2つの特徴の異なる化学的接着シリコン材料を使用した。本システムは非常に有用であり、応用が単純で正確であることが示唆された。
Effects of acid etchants used for bonding orthodontic brackets on the remineralization of enamel white-spot lesions.
Orthodontic Waves, 70(3):125-135.
Ken Hidaka, Kazuaki Nishimura, Ken Miyazawa, Hideyuki Miwa, Shigemi Goto.

表層下脱灰病巣の全体的な石灰化に対する歯列矯正用ボンディング手順のための前処理として使用したりん酸とポリアクリル酸の効果を解析し、顕微X線法(CMR)と原子間力顕微鏡(AFM)を用いて表面構造に対する効果を検討したところ、ポリアクリル酸は、低濃度りん酸よりもより少ない粗さを形成することを見いだした。
Optical and physical stability of plastic orthodontic brackets over time: A 2-year clinical study.
Orthodontic Waves, 70(3):136-142.
Masami Kato, Kenji Miyoshi, Takao Suzuki, Masako Tabuchi, Ken Miyazawa, Shigemi Goto.

ポリカーボネート (PC) は歯科矯正用ブラケットの材料として用いられているが、ビスフェノールA(BPA)の放出が危惧されており、代替材料として、ポリアセタール(POM)とポリエステル(PE)が注目されている。PEは色彩安定性に関して安定した材料であり、臨床応用が可能であることが示唆された。
Development of an orthodontic elastic material using EMA-based resin combined with 1-butanol.
Dental Material Journal, 30(5):664-671.
Takehiro MASUDA, Ken MIYAZAWA, Naoya UEDA, Tatsusi KAWAI, Shigemi GOTO.

我々は以下のような新しい歯科矯正弾性材料を開発し、適当な矯正力を得ることができた。 @PEMA-TA/HX樹脂は、1-ブタノールの追加による化学変化は生じなかった。A弾性係数が1-ブタノールの量により変化するので、任意の弾性係数による歯科矯正材料の作製が可能である。Bこの材料は弾性係数が時間により増加するので、初めに弱い矯正力が時間とともに増加する。C塑性変形後も熱を加えることにより形状記憶効果が発揮されると予想される。
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2013年
Effect of heat treatment conditions on the mechanical properties of Ti-6Mo-4Sn alloy for orthodontic wires
Dental Materials Journal, 32(3):462-467.
Mayu HIDA, Ken MIYAZAWA, Shozo TSURUTA, Masahiro KUROSAWA, Yuki HATA, Tatsushi KAWAI and Shigemi GOTO.
A study of mechanical properties of a plastic bracket based on polyethylene terephthalate used for orthodontics
Aichi gakuin dental science, 26:13-19
Natsu Sato, Ken Miyazawa, Yosuke Sato, Takehiro Masuda, Tatsuhide Hayashi, Tatsushi Kawai, Shigemi Goto

放射線学的関係
2011年
Reproducibility of landmark identification in the jawa and teeth on 3-dimensional cone-beam CT images.
Angle Orthod.81:843-849.
FUYAMADA M, NAWA H, SHIBATA M, YOSHIDA K, KISE Y, KATSUMATA A, AIRJI E, GOTO S

顎顔面骨の3次元計測にはCTや歯科用CTから得られたデータが使用される。計測の精度はある条件下では臨床的には十分であるとされるが、誰がいつ計測しても類似した計測が得られるかという再現性については検証されていない。我々は再現性の評価法を開発しそれを利用して解剖学的な指標を設定する際の再現性を検討した。その結果3次元画像の3断面ごとに詳細に設定法を定義することで再現性の向上が見られた
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