内科学講座

内科学はすべての臨床医学の基本となる学問の一部門であり、その目的は、疾病の原因と病態・症状を明らかにし、病める人に如何に対処すべきか等を学ぶことにある。医学の進歩や高齢化により、全身的疾患を合併する人々の歯科受診が高頻度となっている。そこで、疾病概念を理解する上で基本となる内科・小児科疾患、および歯科診療上留意すべき問題を抱える内科・小児科疾患を取り上げ、全身的疾患を視野に入れた歯科診療に必要な知識や思考方法を身に付けられるよう教育を実施している。具体的には3年春学期・秋学期に内科学、および、4年春学期に小児科学の講義、5年に内科学臨床実習を行っている。また6年希望者を対象に内科学臨床実習Bを行っている。

糖尿病や循環器疾患、脂質異常症を中心に内科全般の疾患を対象とした外来診療を行い,歯科と連携し総合的な診療体制で臨んでいる。糖尿病については,糖尿病専門医,歯科医師,日本糖尿病療養指導士の資格をもつ看護師,薬剤師,管理栄養士がチームとなり,糖尿病および糖尿病合併症の診断,治療,少人数を対象とした糖尿病教室の実施,糖尿病療養指導を実施している。また循環器専門医により高血圧、虚血性心疾患を中心に循環器疾患全般の迅速な診断や治療、生活指導を行っており,禁煙外来,睡眠時無呼吸外来も併設している。小児科については、小児科専門医による外来診療を行っている。

糖尿病分野、循環器分野を中心として、心血管疾患や糖尿病合併症の発症・進展の機序等に関して、様々な手法を用いて検討している。また、全身疾患と歯科疾患の関連についても積極的に研究を進め、当科では次のような研究を行っている。

  1. 糖尿病合併症に対する新しい治療法としての再生医療研究
  2. 歯周炎と全身疾患―歯周炎による動脈硬化促進機序の解明
  3. 糖尿病合併歯周炎に対する新規治療法の開発
  4. 糖尿病と歯周病 ―双方向性に関する臨床研究―
  5. アディポサイトカインであるケメリンの生理学的作用の解明