有床義歯学講座 概要/診療

歯科補綴学とは、う蝕、歯周病、外傷などを原因とする、歯や歯周組織の欠損による咀嚼、発音、審美などの口腔機能の障害を、人工物を用いて回復あるいは改善することに関する、理論、技術、材料などを担当する臨床歯科医学の一分野です。

その一翼を占める部分床義歯学は、歯が一本だけ欠損したものから一本だけ残存したものまで、多様な症例を対象として、可撒性の人工物(部分床義歯)を適用して、患者の口腔機能の改善を図っています。言う迄も無く、義歯は単なる物ではなく、微妙な生体の一部に組み込まれる人工臓器といえます。

当講座は、この部分床義歯の生物学的背景をも含め、部分床義歯の形態と機能について、各種の理論と技術を探求しています。

補綴処置を希望して来院した患者について、初診担当医により総合的な診断がなされ治療方針が決定されます。臨床実習生は総合診断、診療方針について実習するが、歯科医学全般に関する知識が求められます。歯や顎、顔面などに欠損がおよぶ患者に対しての顎顔面補綴診療部も特殊診療部の1つとして開設されています。

本学では歯科補綴学の講座は3講座ありますが、補綴処置を必要とする患者を総合的に診断して治療に当たるため、附属病院の診療現場では講座別の区分はありません。即ち、3講座は補綴科として総合的な補綴治療を並行して分担していますが、当講座は病院(南館)では歯科保存修復学講座とともに4階を利用している。

またこの診療室では、歯科補綴学の教授(診療部長)以下教室員(医局員)による高度な診療が行なわれると同時に、最新の臨床的研究も行なわれています。