歯周病学講座 教育/担当科目

歯周病は、歯科の二大疾患のひとつであり、成人での確患率は高く、歯の喪失の大きな原因となっている。その一方で平均寿命は延びており、生涯、自分の歯で食事をしたいという人も増加している。歯周病学は、それらの要望にこたえるため、歯周病の予防や治療、サポーテイブセラピー(メインテナンス) を通じて、口腔および全身の健康を向上させることを目指す学問である。

歯周病は、バイオフイルムであるプラーク中の細菌を排除するために生体側が起こす免疫・炎症反応と考えられる。歯肉に炎症が起こると、歯と歯肉の付着は破壊され慢性的に進行する。蔓延化した炎症の影響をうけ、歯槽骨が吸収されると、最終的には歯の喪失を招く。歯周病は口腔疾患の中で唯一生活習慣病ととらえられており、定期的な管理が特に重要である。また、歯周病は、糖尿病、心疾患、骨粗鬆症などの口腔領域以外の疾患 との関連も報告されている。

当講座では、そのような歯周病の病態及びその治療法について4年次春学期から卒業までの期間、講義、基礎実習、臨床実習を通じて段階的な教育を実施している。まず4年次春学期に、講義により歯周病の病態についての知識を学び、4年次秋学期には、その診断方法と治療法を講義と模型を使った基礎実習にて習得する。4年次秋学期の臨床予備実習では、歯周病治療の基本的手技を模型実習にて習得し、5年次からの臨床実習に備える。臨床実習では、治療見学や介助だけでなく、自験、実際の患者に対し実際に歯周基本治療の処置を行う。

4年春学期: 歯周組織疾患の病態と治療 講義
4年秋学期: 歯周組織疾患の病態と治療 講義
歯周疾患の診断と治療 実習
臨床予備実習
5年全学期: 臨床実習A
6年全学期: 臨床実習B
その他: 歯学入門セミナー(分担)、医療コミュニケーション(分担)