解剖学講座
教育
歯や口はからだの一部であり、口腔領域を専門とする歯科医療においても患者の全身の健康状態を把握できていることが必要となります。解剖学は人体の正常構造を理解、探求する学問で、医学・歯学の教育、研究に必須の知識を習得する基礎科目です。本講座は、1年生の「人体の構造 I」、2年生の「人体の構造 II」、「実習 人体の構造」を担当しています。
1年生の「人体の構造 I」、2年生の「人体の構造 II」では、人体を構成する器官系を骨格系、筋系、脈管系、内臓諸器官(消化器系、呼吸器系、内分泌系、泌尿器系、生殖器系を含む)、神経系、感覚器に分けた講義により肉眼解剖的形態、構造および相互の位置関係を学習し、人体の構造を系統的に理解します。とくに1年生の「人体の構造 I」の授業は、人体の構造の最も基本である骨格系について講義と実習があり、骨実習では頭蓋骨およびからだの各部の骨に触れながら人体に骨格を構成する骨の名称と位置、役割、連結関係、左右の識別などを学習します。2年生秋学期の「実習 人体の構造」は、講義で修得した知識を確認しながら、人体の構造の理解をさらに深めるための学習として人体解剖実習を行います。人体解剖実習では、ご遺体を実際に解剖し、本や図譜等では理解しにくい立体的構造や個人差などを観察します。学生がご遺体を解剖することを許された貴重な学習の場であり、教材となるご遺体が献体という尊い行為により提供されているという特別な実習です。したがって、献体者とご遺族への感謝の気持ちを忘れずに真摯な姿勢で実習に取り組み、ご遺体と向き合うことを通して人の生死、医の倫理、生命に関わる医療人を目指す自覚と責任感についても考える機会となることを期待しています。
研究
講座のスタッフが、それぞれ個性的な研究を行っています。
池田、前川、永井
遺伝子改変マウスを利用して、以下の点に着目した研究を行っています。
- エストロゲンの硬組織への作用機構
- からだと脳の性分化の分子機構
- 内分泌撹乱作用の分子機構
子安
- 歯(歯周組織を含む)、骨格、抹消神経分布など、「体節構造」を示す器官について、その進化、発生、再生医療に関わる研究