沿革・概要

国民の健康寿命の延伸に貢献する歯科医師を一緒に目指しませんか?

歯学部長
本田 雅規

愛知学院大学歯学部は、昭和36年に「行学一体」の建学の精神を歯学教育の分野で実践し、国民の福祉向上に貢献できる歯科医師を養成することを目的に戦後最初の私立大学歯学部として創立され、これまで多くの歯科医療人を輩出(令和4年3月までに8,036名の卒業生)し、地域医療、行政、および大学の教育・研究で活躍し、歯科医学・歯科保健医療の発展に大きな役割を果たしてきました。

歯学部は、楠元キャンパスと末盛キャンパスの二つのキャンパスで教養科目、基礎系専門科目、臨床系専門科目そして診療参加型臨床実習を行います。その歯学部附属病院のある末盛キャンパスに2023年、新しい学びの舎「臨床教育棟」が完成します。附属病院と渡り廊下でつなげて臨床系教員と臨床実習中の学生が共存できる環境を作り出すことで、歯科医療の最前線と一体化したキャンパスの完成です。その臨床教育棟には、医療系図書館、5年生のグループ学習・自習の場となるセミナー室や6年生の専用の個別学習室などを備えています。この新校舎の横には、ガラス張りで開放的なランチ・カフェスポットとなる新施設「月見テラス」も完成します。そして、この整備が完了すると1~4年生の歯科医師の基礎を培う学習拠点は楠元キャンパス、そして、5、6年生の臨床実習と国家試験対策にいそしむ学習拠点は末盛キャンパスとなり、年次にそった学習ができる環境が整うことになり、中部地方の歯科医療をリードし続けてきた歴史を、これからも作り続けていきます。

近年の歯科保健医療の現場における歯科医師数は充足しているものの歯科医療技術の高度化・専門化に加え、超高齢化に伴う疾病構造の変化や要介護者等に対する口腔ケア、口腔と摂食嚥下の機能維持・向上など、多様化するニーズに適切に対応できる歯科医師を育成するための特徴が愛知学院大学歯学部にはありますので紹介します。

一つ目は、クラウドサービスを用いてのオンライン授業を可能としました。講義はすべて録画配信され、いつでも録画講義を視聴することができるので授業の予習や復習ができ、教員とのチャットによる質問も可能としました。二つ目は、本学の薬学部・短期大学部・歯科技工専門学校や近隣の医学部の学生と合同PBL(Probrem-Based Learning)を積極的にとりくんでいます。在学中からチーム医療を意識し、自らの役割を発揮できる知識や技能を修得できるカリキュラムを1年次、3年次、5年次に用意し多職種連携教育が充実しています。三つ目は、今年度から、入学時から卒業まで学生を支援する歯学部学生支援室を設置し、小グループごとに教員(チューター)が学習や進級や生活に関する相談に対応します。最後に、体育系クラブは、全国歯科学生体育大会で3年連続優勝と、文科系クラブも運動系クラブも部活動を盛んに行える環境づくりに努めています。このコロナ禍でも部活動ができる仕組みをつくり、部活動を通じて同級生や先輩・後輩との交流を深めることができます。

以上のように、時代の変化と社会の要請から本学歯学部は、医療・保健・福祉分野において豊かな人間性を発揮できる医療人を育成するとともに口腔の健康から全身の健康を守るために必要となる口腔医学教育を推進するためにさまざまな取り組みを続けていきます。

歯学部のめざす人間像

教育目標が達成された場合に社会に送り出しうる人間像として、以下のような人間像を描いています。

  • 継続した学習及び研究意欲を持つ人
  • 独創的な科学的視野を持つ人
  • 医療人として自覚と責任に溢れた人
  • 地域医療の貢献・向上に意欲的な人
  • 幅広い教養を身につけ慈愛に満ちた人

教育理念・目標

歯学部の教育は、歯科医学・歯科医療・口腔保健向上の一躍を担うことのできる有能かつ倫理観を持った歯科医師の養成を目的としています。
そのためには、単に学識・技術を教授するのみではなく、臨床の場で効率的に展開できる実務的な能力を修得する必要があります。そこで、歯科医学に関わる基本的知識、科学的学識を充分に理解し、それに基づいた歯科医学的技法に習熟することが重要です。さらに倫理観を持った学識ある歯科医師として広い学際的教養を持つことが望まれますので、本学の建学の精神を充分に体得しなければなりません。
歯学部の教育は歯科臨床に携わる歯科医師を育成することを第一義としますが、単にそれのみでなく、21世紀に対応する優れた研究者、教育者、行政担当者など幅広い人材を育てるためにも、教職員一体となって広範な教育を施そうと考えています。

卒業認定・学位授与の方針(ディプローマ・ポリシー)

愛知学院大学歯学部は、大学の教育理念・目的を達成するために、学生に豊かな人間性と高い倫理観ならびに専門的知識を備えることを求め、所定の単位を修得した上で、以下の6つの能力を適切に評価して、歯科医師として適格と判定した人の卒業を認め、学士(歯学)の学位を授与します。

  1. 多様な人々と良好な人間関係を構築するコミュニケーションカを身につけている。
  2. 建学の精神と一般教養ならびに高い倫理観と生命科学に関する基本的知識を身につけている。
  3. グローバルな社会で歯科医師の果たす役割を科学的視点から捉え、思考し、行動することができる。
  4. 口腔領域の疾患の予防・診断・治療に関する専門的知識を修得している。
  5. 歯科治療に必要な高頻度治療の基礎的技能訓練を修了している。
  6. 地域包括医療などのチーム医療に関する基礎的知識を身につけている。

教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)

歯学部では、本学の建学の精神「行学一体 報恩感謝」を深く理解したうえで、卒業認定・学位授与の方針(ディプローマ・ポリシー)に掲げた目標を達成するために、幅広い分野にわたる教養教育科目及び専門教育科目からなる教育課程を編成し、以下のような教育内容と方法を取り入れた授業を実施し、教育評価を行います。

【教育内容】

  1. 「宗教学」をはじめとする教養教育科目を通して建学の精神と豊かな人間性、生命の尊厳、倫理的態度を涵養する。
  2. 到達目標を明確化した教育課程を、「教養教育科目」と「専門教育科目」の連携を図りながら体系的に編成し、知識、態度、技能を培う。
  3. 科学的根拠に基づいた予防・診断・治療に関する専門的知識の修得を培う。
  4. 患者さんや医療専門職者など多くの人とのコミュニケーションに必要な知識、態度、技能を培う。
  5. 歯科治療に必要な基礎的技能と最新の歯科治療に必要な知識を学修し、科学的思考能力を培う。
  6. 医療現場で求められている医科・歯科連携、多職種連携や在宅医療などのチーム医療に関する基礎的知識を培う。

【教育方法】

  1. 習得した知識や技能を統合し、自主的な問題発見と問題解決思考能力を培うための学習を奨励する。
  2. 主体的・能動的な学修(アクテイブ・ラーニング)を促す教育方法を実施し、学生にe-ポートフォリオリオを活用した「振り返り」を奨励する。
  3. 歯学教育モデル・コア・カリキュラムに基づき、必須の実践的能力(知識・技能・態度)の確実な修得を促進する。
  4. コミュニケーションサポートシステム(CSS)体制、テュータ制を活用して、学生が自発的に学修できる環境の充実に努めるとともに、学生が充分な学修時間を確保するよう推奨する。

【教育評価】

到達目標に応じた学修成果を多面的に評価する。

入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)

歯学部は、優れた人材を公平かつ多様な方法で選抜するという方針に基づき、卒業認定・学位授与の方針(ディプローマ・ポリシー)及び教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)に定める教育を受けるのにふさわしい、以下に掲げるような人の入学を求めています。

  1. 人としての基本的モラルを身につけている人
  2. 感謝と思いやりの精神を持っている人
  3. 歯学教育を受けるために必要とされる十分な理系の基礎学力を持っている人
  4. 論理的思考に優れ、豊かな自己学習能力を涵養しようとする人
  5. 医療人としての強い使命感と高い志を持ち、社会に貢献することを希望する人
  6. グローバルな視野と主体性を持ち、協働して歯科保健・医療を実践しようとする人

令和4年度 卒業後の進路内訳(令和5年4月末日)
進路先 内訳 人数 備    考
臨床研修歯科医 本学 27名  
他学等 35名 名古屋市立大学医学部付属西部医療センター・江南厚生病院・一宮市立市民病院・春日井市民病院・徳島大学病院・広島大学病院歯科領域臨床教育センタ・月星歯科クリニック・やまむら歯科・港スワン歯科・白鳥スワン歯科 矯正歯科・りょうき歯科クリニック・その他
令和3年度 卒業後の進路内訳(令和4年4月末日)
進路先 内訳 人数 備    考
臨床研修歯科医 本学 32名  
他学等 34名 名古屋大学附属病院・名古屋市立大学病院・愛知医科大学病院・江南厚生病院・すまいる歯科・総合大雄会病院・春日井市民病院・月星歯科クリニック・小島歯科・藤田医科大学病院・JCHO中京病院・二村医院(2)・蒲郡市民病院・シバタ歯科・豊田厚生病院・公立陶生病院・新安城歯科(3)・岐阜県立多治見病院・佐藤歯科医院・大垣市民病院・大津市民病院・浜松医科大学医学部附属病院・大阪大学歯学部附属病院・奈良県立医科大学・東京歯科大学千葉歯科医療センター・昭和大学歯科病院・多摩北部医療センター・岡山大学病院・九州大学病院・九州歯科大学病院・福岡歯科大学

明治

  • 9年 5月
    名古屋市門前町大光院内に曹洞宗専門学支校として開設
  • 35年 9月
    教育令改正により曹洞宗第三中学林と改称

大正

  • 14年 2月
    愛知中学校と改称

昭和

  • 22年 4月
    新制愛知中学校設置
  • 23年 4月
    新制愛知高等学校設置 愛知学院と総称
  • 28年 4月
    愛知学院大学設置
  • 36年 3月
    愛知学院大学歯科病院開設
  • 36年 4月
    愛知学院大学歯学部歯学科設置
  • 38年 4月
    愛知学院大学歯学部定員増(80名から120名)
  • 42年 10月
    愛知学院大学歯科病院北館増築
  • 43年 4月
    愛知学院大学大学院歯学研究科博士課程設置
  • 47年 1月
    愛知学院大学歯科病院を愛知学院大学歯学部附属病院と改称
  • 49年 4月
    愛知学院大学歯学部進学課程日進学舎へ移転
  • 51年 4月
    愛知学院大学歯学部定員増(120名から160名)
  • 60年 9月
    愛知学院大学歯学部基礎教育研究棟増築

平成

  • 4年 4月
    愛知学院大学歯学部定員減(160名から130名)
  • 5年 4月
    愛知学院大学歯学部新教育課程による6年一貫教育実施
  • 7年 11月
    歯学部創立35周年記念式典
  • 10年 4月
    愛知学院大学歯学部附属病院西館増設
  • 11年 3月
    新動物実験センター完成
  • 13年 1月
    愛知学院大学歯学部附属病院南館完成・開院
  • 19年 3月
    体育館耐震工事完了
  • 22年 4月
    歯学・薬学図書館情報センター耐震工事完了
  • 22年 11月
    歯学部創立50年記念式典
  • 25年 4月
    歯学部定員減(130名から125名)

令和

  • 2年 4月
    歯学部教養教育課程楠元キャンパスへの移転