口腔病理学・歯科法医学講座

病理学(病因・病態・診断)は病気の本態を明らかにする学問である。

したがって、病理学は単に病気の原因や病変の成り立ちを教えてくれるだけでなく、病気の診断やその治療あるいは病気の予防などに関するいろいろな知識を与えてくれる非常に大切な学科である。

このため、一般病理学では、各臓器組織にあらわれる同じ種類の病変をひとまとめにして、その一般的なことがらについて学ぶ。

口腔病理学では、口腔粘膜、舌、唾液腺、顎骨、顎関節、歯と歯周組織、などにあらわれる病変について学ぶ。

一般病理学および口腔病理学の実習では、それぞれ一般病理学および口腔病理学で学んだ病変についての病理組織標本を各自が光学顕微鏡ならびにバーチャルスライドシステムを用いて観察する。さらに、歯科知識アーカイブズにアクセスしてその病変について理解する。

口腔病理学・歯科法医学講座では、上記の教育の他に歯学部附属病院口腔病理診断部において病理診断を担当し、患者の生検材料(病変部の組織の一部を採取し、病理組織学的に検査することを生検という)および手術材料の病理診断を行っている。

口腔病理学・歯科法医学講座では、ヒトのいろいろな口腔病変の臨床病理学的研究、ならびに動物を用いて歯胚組織、歯周組織、口腔腫瘍、顎関節病変などに関する実験病理学的研究および種々の病変の分子生物学的研究を行っている。また、HPV感染とその予防・治療としてDNAワクチンの研究・開発を行っている。