口腔衛生学講座 概要/診療

口腔衛生学は、歯や口腔の健康を保持増進するための科学と技術を研究する学問分野であり、口腔の健康を通して、身体的、精神的、さらに社会的にも健康な状態を保つことにより、健康面から生活の質(クオリティーオブライフ)の向上や健康寿命(健康で自立した日常生活を送ることのできる期間)の延伸に寄与することを目的としています。
特に、超高齢社会の現代において口腔の健康増進を図るためには、良質な歯科医療の実践だけではなく、質の高い口腔保健サービスの提供が重要になります。そのため当講座では、口腔衛生学を通じて、口腔疾患の予防に重点をおいた歯科医療の実践者、また地域において口腔保健の推進に貢献できる歯科医師の育成を目指して、教育、臨床、研究を行っています。

口腔衛生科では、う蝕(むし歯)や歯周病の予防を中心とした診療を行っています。歯や口腔を健康な状態に保つためには、自身による日々の口腔清掃(セルフケア)が最も重要ですが、セルフケアを行うにあたり正しい口腔清掃の方法について指導を受けることが望ましいです。また、歯石などセルフケアによって落とすことが困難な汚れは、定期的な歯科受診の際に専門家による機械的な清掃(プロフェッショナルケア)によって除去する必要があります。そこで、口腔内に問題の無い人に対しては、健康な口腔状態を長く維持することを目指し、また、う蝕や歯周病等の治療を終えた人に対しては、疾病の再発を予防して現状を維持できるように、それぞれの口腔の状態に応じて、必要な口腔保健指導を行いながら定期的な口腔の管理を行います。