麻酔学講座

歯科治療に麻酔は切り離すことができない。わが国の歯学部あるいは歯科大学の全てに麻酔学講座が開講されている理由である。愛知学院大学歯学部の麻酔学講座は開講されて以来40年の歴史を持っている。この間、附属病院では、生後3ヵ月の乳児から90才を越える老人までを対象に歯科治療時や、口腔外科手術時の麻酔を全身麻酔法あるいは鎮静法により担当してきた。

歯科医にとって麻酔は歯科治療時の痛みを除く手段として身近であり、かつ重要である。歯科麻酔学は、歯科治療に伴う痛みや、顎顔面の疾患による疼痛を軽減・除去せしめることにより、患者を苦痛から開放することを探求する学問である。また、麻酔は痛みを取り除くだけでなく、同時に様々な作用を患者におよぼし、なかには生命に危険をもたらすものもある。歯科麻酔学を学ぶことは麻酔の理論と応用を学ぶことはもちろん、麻酔の副作用に対処できるように呼吸、循環といった全身管理を学ぶことも大きな目的の一つである。

1. 手術室における全身麻酔、鎮静法

口腔外科手術を中心に全身麻酔と鎮静法を合わせて年間1000件を超す麻酔管理を担当している。

麻酔前日に患者を診察し、全身状態の評価、麻酔法の選択を行い、当日、早朝カンファレンスを行い、麻酔管理に関する重要事項を再確認している。

2. 外来における鎮静法

極端に神経質な人や嘔吐反射の強い人など、局所麻酔だけでは歯科治療ができない患者に対し吸入麻酔薬や静脈麻酔薬を用い鎮静法を実施している。

3. ペインクリニツク

顎顔面痛の患者に対し主に神経ブロックによる疼痛治療を行なっている。

  1. 麻酔薬の生体内制御機構への関与
  2. 麻酔薬の作用機序に関する神経細胞学的研究
  3. 乳幼児麻酔に関する臨床的研究
  4. 鎮静法の安全性に関する臨床的研究
  5. 麻酔と疼痛の自律神経学的研究